SHIMANTO 1 DAY
しまんと1日目。朝早く目覚めた。いつもはすごく遅いのに。
「いかんじゃん。しなれないことすると、雨降っちゃう」
でも、もう寝れない。
・・・やっぱりしまんとに来て、緊張してるのかなぁ(繊細だなぁ ふっ)
と思ったら、「二羽のにわとり」がテントの両側でステレオサラウンドで
雄叫んでいたのが原因だった。うるさい、絞めちゃうぞっ
!
土佐昭和、ふるさと交流センターからツーリングスタート。
水量も十分、晴天をバジルさんと喜び合いつつ出発。
川の両岸の山の雰囲気、のどかな田舎の風景。
どこか懐かしい、これぞ「日本のけしき」。
川の水質はいまいちだけど、豊かな川の流れに漂いながら
生きる幸せをかみしめる(おおげさ)。
河内の瀬に着く。
昨日、岸の高い所から下見した時より、減水して岩が出ている。いやらしいなぁ。
「真ん中から行って、あの三角の岩の右側から本流に乗って、・・・」
昨日描いていた「落ち込み楽しそうルート」はどこへやら、
すっかりチキンに、正統派本流コースに転がる奴。
やっぱり、川は近くで見ないと正しい姿はわからないもんね。
でくさんに続いて瀬に入る。
河内の瀬を下るぷうさん。
エディーで待っていると、バジルさんが流されてきた。
人が単品で瀬の中にいると本当に小さく見える。
バジルさんには悪いんだけど、それがすごく楽しい
。
河内の瀬で沈脱して泳いでいるバジルさん。
一気に盛り上がりながら、十川へ。
これでもか、これでもかというくらいの数の鯉のぼりが川にかかっている。
この鯉のぼり達が雨に濡れたり、風が強かったりすると支柱にすごい力が
かかるよなぁ。
「日本のけしき」を支える土木技術に思いを馳せていると、小貝の瀬。
気持ちのいい落ち込みにすっかり上機嫌になって、エディーで待つ。
でも、バジルさん・くごさんが来ない。どうもだめっぽい?
でくさんが様子を見に行く。
流されてくる荷物の回収を仰せつかって、ひとり待ってみる。
でも何も流れてこない。ひま。
天気もいいし、相変わらず上機嫌でぶらぶらしていると、
でくさんが瀬を流されてきた。
人は想定していない事態に陥ると3〜4才くらいの知能に退行するという。
なんで?バジルさんでなく、でくさんが流れてくるのか?
「そうか!瀬遊びしてるんだ
」
そんな訳があろうはずはなく、バジルさんのフネが張り付いていて、
助けに行こうとして瀬を渡りきれず流されたという。
それにしても、レスキューしようとしても重くてフネを前に
進められなかった。
今回はでくさんが自力で泳いでいったけど、泳げない時は?
自分のレスキュー能力の低さ、無能さが情けない一瞬でした。
「張り付き!」それまでの上機嫌が一転、「ががーん」な事態に急展開。
何もできないけど、じっとしててもしょうがないと、上流に向かってみた。
でも、10mも行かないうちに荷物がバラバラ流れてきた。
その上、折れたボイジャー君まで。
次はバジルさんか・・・と思ったけど、さすがに流れてこない
。
慌てて自分のフネに戻って回収。
でも、水をたっぷり含んだ荷物は重くて、拾い上げようとしても上げられない。
あきらめて牽引しようにも重くて進まない。
そうこうしている内にどんどん流されて、岩がらみの瀬が近づいてくる。
いやーん、これじゃ二次災害じゃん
。
オーマイゴッドな気持ちで一生懸命エディーを目指し、やっとの思いで到着。
ぜーぜー言いながらみんなの所に戻ると、フネは既に回収されていて
哀愁を帯びた姿で横たわっていた(-人-)。
これじゃもうだめだ・・・。
折れたフネを見るのは初めてで、ちょっとショックだった。
バジルさんも同じ気持ちらしく、上陸の仕方や、今後の過ごし方について
検討している。
でも、男二人はそんなことはお構いなくフネをばらして修理に掛かっている。
フレームだけになったフネは「申し訳ない!再起不能じゃ」てな感じ。
メインのGパイプが折れている。あんなに堅いリブのフレームが曲がっている。
なのに、次々直していく二人はなんか楽しそう?
Gパイプの補強に添え木をした。「針金欲しいとこだね」
すると、不思議なことに針金がフネに乗ってどんぶらこっことやってきた。
昨日の轟崎の瀬ポーテージ男がまた現れたのだ。
でも、この人見たことある? 「あっ なんだ、ミヤモトさんじゃーん(^_^)」
男3人であっと言う間にフネを直して、再出発しましたとさ。めでたしめでたし。
十川の瀬の下でフネの修理も終わり、無事復活した時。上には鯉のぼり。
十川の鯉のぼりの川渡し、なんでもここが発祥の地とか。さすがに圧巻。
予定を変更して、広瀬で泊まる。
江川崎まで行って食料を調達する予定だったため、食べる物がない。
皆ドライバッグを逆さに振って、あらん限りの食べ物を出してみる。
広瀬の川原。泳いで疲れたバジルさん。
昨日の焼き肉の残りのかぼちゃ、シリアル、なぜか鰯の缶詰・・。
見事に統一性のない食品が並ぶ。
ため息をついていても仕方がないので、でくさんがパエリヤを作ってくれた。
あり合わせの材料でパエリアの準備をするくごさん、ぷうさん。
パエリヤに鰯かぁ・・・。ま、もともと洋風雑炊だし、いっか。
半分あきらめながら、食べてみる。
すると、かぼちゃのとろける甘さと鰯の渋さが、えもいわれぬハーモニーを
奏でた。
というのは おおげさなんだけど、本当においしかったなぁ。
満天の星空を見ながら静かに今日の沈を肴に飲む。
サイコーに楽しい時間を過ごしていると、なにやら向こうの方にトラックが
次々集結し始めた。犬が吠える。ライトが明るい。火がごうごうと燃やされる。
騒々しい雰囲気、何しに来たんだろう。ちぇっ。
「密漁」「ゴミの不法投棄」「FTRACKのオフ」いろんな説が飛び交う。
最終的にどうやら彼らはバーベキューをしに来たらしいとの結論に達する。
ひもじい思いをしていた我々は、さっそくバジルさんを特使として派遣した。
男を釣るには美人をえさにするのが一番
。
さすが「人たらしバジル」。
すっかり人気者になって全員のご招待を受けてきた
。
実はこの人達、私たちがカヌーで来たことを知って遊びに来たという。
(でも、本当は買い出しに行ったバジルさんの短パンから見えるお御足に
釣られて来たすけべ達である)。
養豚を営む方々だそうで、バーベキューのお肉は豚豚豚、そして豚。
豚オフさながらに油じゅーじゅー、火ぼーぼー。
大変パワフルに土佐弁でがんがんしゃべり、飲み、笑う。
それはまさに「養豚おやぢ」。
でも、土佐の人は暖かい。
広瀬は一応キャンプ場でトイレがあるんだけど、私たちが来たことを知って
わざわざ掃除してくれて、「自由に使っていいからね」って
声まで掛けてくれて。
養豚おやぢも肉食べさせてくれて、酒飲ませてくれて。
ご飯がないことを知って、わざわざ戻ってお米届けてくれたり、明日の分にって
お肉持たせてくれたり。
「地元の人とのふれあい」って、実はあんまり好きじゃないんだけど、
今回は嬉しい、楽しいことが多かった。
満腹になって、満天の星空を幸せな気持ちで見ながら、いろいろあった、
そう、波瀾万丈な長い一日を終えましたとさ。
【 行動日 】 1998/4/26
【 場 所 】 高知県四万十川 土佐昭和〜広瀬
【 天 候 】 晴れ
【メンバー】 くご、バジル、でく、ミヤモト、ぷう
2日目に続く