朝、怪談話に花を咲かせていると、旅館の人がやってきた。
「フジタカヌーの人から電話がありまして、8時半に迎えに来るそうです」
3人で顔を見合わせた。
「あれ、清水さん、ゆうべ、電話つながらなかったはずでは」「うん」
ゆうべ、清水さんの携帯から電話をかけまくったけど、どこにもつながらなかったのだ。うちらは、参加するとの意思表明をフジタに伝えていないのだ。

どうやら、本日参加することは、社長にとって既定路線らしい。わははは。

うちらがもたもたしてチェックアウトの準備をしている間に、社長は客室まで迎えに来てくださいました。こちらは、精算も終わっていなかった。お待たせしまして申し訳ないです。



いずみ路ボート大会編

さて、フジタの車の後ろについてはしっていくと、道にのぼりが立ちはじめる。この日のために作ったのぼりだ。けっこう気合いが入ったイベントのようである。
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のぼりには、黄色地に青い文字で、「いづみ路ボート大会」の文字がくっきり見えた。このときはじめて自分が参加する大会の正式名称を知った・・・・。あははは。

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降り立ったところは笠置よりもさらに上流の木津川ほとり。車で入りにくいところらしく、ほんとうにいい感じのところである。水の流れが無いのはダムのバックウォーターだからかなと思っていたけど、あとからダムが上流に見えたので、そういうわけでもないらしい。どちらにしても、上流にしては流れの無いところである。参加者用の駐車場から、えんえん歩く。会場のそばには車を何台もおけないらしい。

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で、こちらが会場。小さな駐車場のようなところに、テントがふたつ、男性用と、女性用の着替え室だそうな。すでに会場にはたくさんの人が集まっていた。こんな事書くと怒られそうですが、こんな田舎にこんなに若い人が集まっている姿が新鮮。。。。。
どうやらこのイベントは、みっつの村・町の合同企画らしく、それぞれの長がまえにたってご挨拶。どう見ても普通のおじさんである(失礼!)
それにつづいてルールの説明。いちどの試合につき3艇で競う。艇とパドル、ライフジャケットは貸しだし。(すべてフジタカヌーの備品のようである)スタート地点に3艇がならび、一斉にスタート、100メートル先のブイを反時計回りにまわって、スタート地点までもどってきて、そのロープをくぐればゴールである。
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ちなみに、ボートは貸し出しですが、のぼりはオリジナリティのある奴をみんな作ってきていました。この、のぼりのグッドデザイン大賞もあるそうで。みんなほんとうに気合いが入った、楽しいのぼりをつくっていました。
ちなみに、我が「日本カヌー連盟」も、のぼりを作っていたそうなのですが、みごと「忘れてきた」そうなので「いずみ路ボート大会」の黄色いのぼりを借用して使用。

参加チームは14艇。まずは3艇づつのレースを2ラウンドして、タイム順で二次予選に出場する9位までのチームを決めるそうです。

で、私たちが加わった「日本カヌー連盟」チームですが、別にそんなに人数ぎりぎりというわけでなく、私たちがはいるとお休みの人がでる状態であった。まっさきに清水さんが「私出場しない」宣言。この手のボート大会はかなり裏方で活躍しているらしく、「知り合いに会うとまずい」そうな。別に誰もいなかろうに。

で、第一回戦

はじめの予選の時間になり、みんなでボートに乗り込む。昨日積み込みをしたボートである。ついでにライフジャケットもフジタカヌーの文字入り。はっきりいって、私もこんなボートを漕いだことがなかったが、他の人も同じレベルのようである。私は一番トップに座ることになった。
いきなりの混成部隊でもボートは進むもの。スタートの号砲と一緒にこぎ出す。でも、うちのチームの艇は進路がさだまらない。進路をほかの艇と交差して取ろうとしたものだから、左から来た二隻とぶつかり、もみあい、結局相手を先に行かせてタイムロス。
あっというまに一艇はゴール、残り二艇のあらそいになる。こうなると漕ぐ方は懸命。
鼻の差で先にゴール。。三艇中、二位
ひゃあ、まじめに漕ぐと疲れるものだ。

そのあと帰ってきたメンバーに清水さんがアドバイス。
「ボートは、スターンの人は漕いじゃいけないですよ。最後尾の人は漕がないで、進路を取ることに専念しないと」
とにかく、進路を定めることが重要らしい。たしかにふらふらして、だいぶロスをしたような気がする。我々はそれに従うことにした。

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第二回戦。
こんどは、舵取り専任のおかげか、他の艇とはほとんど接触せず進む。
浅瀬のまんなかをつっきっるコースを取る。パドルが川底にぶつかるが、ボートは進む。なんとかなるものである。第二回戦は、第一回戦と同じ顔ぶれのチームで漕いで、さっきと逆順でまた二位であった。

予選通過は14チームのうち、9チームまで。我々のチームは、タイム順で7位。予選通過である。
とりあえず、まだ漕げることになった。

昼休みに弁当がでて、みんないろいろな場所で弁当を食べる。
ほかのメンバーの方としゃべった。みなさんはフジタのやっているサークル(的な集まり)の会員だとのこと。フジタカヌーはショップのような役割も果たしているんですね。
「東京の方はこのボート大会のために来たんですか」と、おおまじめに聞かれた。
「もちろんですよ、このために来ました」と、応じる。「実はそんなわけはないです。成り行きで・・・・」
たのしいので、東京からこのために来てもいいかなと、ちょっと思いました。

木津川のことをいろいろ聞く。なんでも、大阪から一時間半で来られるとのこと。
今日は集合時間が八時半だそうで。みんな大阪市内から来ているのだ。やはり木津川は大阪から近い。那珂川と比べてえらい差である。

さて、第二次予選。

さて、第二次予選。はりきって漕ぐが、右側の竹藪に見事につっこんだ。ギャラリーの目前であった。サービス、サービス。もちろんそのつもりはなかったが。
へさきに女の子が要るグループとブイをターンするところで絡む。このチームと最後まで競いいあう。スピードでは勝ってたような気がする。が、差はほとんどない。渾身の力で漕ぐ。でも向こうも同じにがんばっているのだ。で、最後のゴールのロープをくぐるところでで鼻の差で負ける。
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それでも、タイムで6位通過。この、二次予選は9チーム中上位3チームが決勝戦にすすみ、4,5,6位のチームが、「4から6位決定戦」にすすめることになる。つまり、うちのチームは、からくももう一度漕げることになった。しぶといなあ。

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ここまでの成績。クリックで拡大


4から6位決定戦。
こんどは声ををかけて、みんなであわせて漕ぎましょう、と、いうことになった。考えてみればトップに座っている私がかけ声をかけてみんなをあわせるべきである。今回のレースはそれに気を付けて漕ぐことにする。
どうも今までは自分が漕ぎ方を乱していたような気がするが。

さて、どう転んでも最後の試合である。みんな気合いが入っている。コースはくじびきで第一コースで、場所的にはいいところ。
なかなかゴールラインに並ばないのはいつものこと。ちょっと、1コース前へ、ちょっと、うしろへ、を、くりかえして、やっと、号砲。

各艇いっせいにスタート。
はじめからデットヒートをくりひろげる。左がでてくる、ちょっと向こうが先行。ぶつかりそう。と、それを避けようとして舵を切りすぎたか、我々のボートがくるっと岸を向く。左の艇に先行される。こっちは体制を立て直して、ふたたび全力疾走体制。見ると、先行した艇も、岸を向いてしまっている。そのため、ブイとの間、イン側ががらあき、そのまま全力疾走でつっこむ。ブイを内側から回る。
女の子のがいるグループは早々に後ろに下がっている。二艇勝負である。
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隣のチームとこすりながらブイを回る。ゴールの方を向く。我がチームとその艇が左右から接触する。離そうとするとロスになるため、そのまま身を寄せるようにして二艇が進む。はじめはこっちが先行。相手の舳先が私のすぐ横にあった。手で押し返したい衝動を必死で押さえる。(^^ゞ
むこうが先行する。とたんに、むこうのトップに座る若いお兄ちゃんはパドルを持ち替え、こちらの側で漕ぐ。そのときに後ろ手で水をとばすものだから、トップにいた私は頭から水をかぶってびしょぬれ。すっかり木津川の水を堪能してしまった。ちきしょう、こういうことをするなら、さっき舳先を押し返してやるんだった。

最後に、その舳先のお兄さんがたちあがり、そのかっこうでゴールしかったらしいですが、彼がウチの艇をパドルで押し込むのをやめたので(?)こちらが最後に伸びる。どっちだ、先にゴールしたのは?
最後の最後で並んだらしく、アナウンスが「順位同着となりました」との声。0.01秒で計っているのに同着もないものですが、ま、いっか。
ひーひー肩で息をしながらアナウンスを聞く。同着だからって、では再戦にしましょう、とか言われたら死ぬなあ、と思っていた。アナウンスの声が続く、「同着でも、勝負をつけなくてはいけません。いままでの予選の、トータルのタイムで順位を決定します」とのこと。あとで成績を見たら、総計で1分も相手チームが早かった。

というわけで、我が「日本カヌー連盟」チームは、参加チーム14チーム中、五位となりました。よかったよかった。

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みんなで写真を撮りました。クリックで拡大。

それから、決勝戦を待たずに、時間のない東京組は帰路についたのでありました。フジタ社長、お誘いいただきまして、本当にありがとうございました。ボートも、相手が居るのでかなり楽しかったです。やっぱり相手が居ると燃えるよねえ。

二時半頃、たのしかった木津川を出発。運転を交代しながら東京へ帰る。
ほんと、今回はいろいろな意外性のあるツアーであった。まさかツーリングの筈がボート大会にでることになろうとは、誰も思っていなかった。いいことはするものです。


おしまい