KOHO試乗レポートその2

ツーリング編

文:城後岳弘@フジタ〜ズ


 6/4 曇 廚川→日詰 24km

 APPONさんがKOHO、僕がPS-1に乗ってスタートした。APPONさんの動きが硬い。一つ目の早瀬に入る。僕が先。後ろから「あっ、きゃっ、ああーー」という声がする。これはダメだとフネの交換を申し出た。

 以前からの約束でツーリング中APPONさんがKOHOを持て余したら僕の艇と交換すると約束していたからだ。ただこの約束は半分以上冗談と思っていた。APPONさんで無理な艇なんてあるわけないないし、そんなフネ僕じゃ絶対乗りこなせないと思っていたからだ。

 乗ろうとして驚いた。オーナーAPPONさん曰く「ワイルド艇よりひどい」。とにかく横安定性が悪い。これ本当にファルト?。

 廚川→盛岡間は2級前後の瀬が程良くあり、いつもなら気持ちいいはずがやや冷や汗物。瀬はフォワードストロークではバランスが保てず、スカーリングしながら下る始末。とても小本川を下る自信はない。2級(+)の瀬を一つライニングした。情けない限り。

 盛岡に近づくと橋裏や岸にエディーがある。上の方はクリーク状でエディーはなかった。フジタ艇に比べKOHOはずば抜けて足が早い。おかげでぐんぐん引っ張って、エディーイン、アウトを繰り返す。遊んでるうちにAPPONさんが来て合流。こんな感じで明治橋通過。このころから、あれっ、このフネって結構行けてると感じ始める。

 エディーに入るときの回転半径がフジタ艇よりぐっと短い。回転性がいいのだ。ただスターンラダーでエディーにはいるのはちょっと恐く、バウラダー気味にになりがちだ。

 1時間も乗ると身体にしっくりして馴染んできた。ウエーブにものる余裕がでてくる。ウエーブから出されそうになるとき、中にはいるのにフジタ艇なら3パドル位必要なところが1パドルでOK、FRTよりも小さくて取り回しいがいいから、瀬の中に残れる。

 ロールはフジタ艇はスーイープで起きる。デッキが低いので後屈しやすいからだ。KOHOはデッキが高いので後ろに反れない。どうしてもCtoC系でないと起きない。

 途中、自称北上川最大の4級の瀬で沈した。ロールを試みたが右膝が半分外れてた。フジタ艇だと膝をよいしょっと入れ直してロール出来るのだが、この艇では無理だった。KOHOは構造上、フジタ、ボイジャーに比べ膝固定で劣る。でも狭くて、エアチューブに自分の膝を食い込ませるようにしているのでFRTよりずっと膝固定性は高い。

 ツーリングの後半には自艇より自由に乗りこなせるのではないかと錯覚するほどイメージ通りにコントロールできるようになる。本当に機敏な動きをするフネだ。それでいてシーカヤック的なスピードもでる。不思議なフネだ。

 ゴールの橋が見えてきた。僕はAPPONさんに「このフネで小本を下ります」と伝えた。

城後岳弘@フジタ〜ズ


追記

A&Fの99年版カタログより

>>ハル素材/ヘビーハイパロン バックサイズ/89×50×25cm
>>組立時間/約15分     積載能力/約80kg

KOHOの基礎データです。積載能力、これって乗り手と荷物の合計ですよね。んんーーん。僕の体重は秘密ですけど70kg。このツーリングでは荷物はほとんど積んでません。合計で約75kgかなあ。でも全然障害はなかったです。80Kg越えるとやばいのかなあ?。